合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
助産師の役割、女性やカップルを取り巻く環境はどう変化しているのか!?
■東島アナ「ゲストは、昨年まで日本助産師会会長で、上智大学総合人間科学部看護学科教授の島田真理恵さんです。2023年2月にこの番組にご出演、同年5月の国際助産師の日に、助産師さんを特集した特別番組にも出演をしていただきました。改めて、助産師さんの仕事について教えていただけますか」
■島田「助産師はお産の介助をする人と認識されていますが女性のライフサイクル全般を支援する専門職として活動しています。主に病院、診療所に勤務し、妊娠から産後全般のケア、そして女性の健康全般のケアに取り組んでいます」
■伊久美「助産師さんが、女性の健康全般の支援をされているということは、あまり知られていない気がします。妊娠・出産など、短いスパンでサポートしていただいているイメージをお持ちのかたが多いように思います」
■島田「おそらくそうだと思います。世界各国で助産師の役割に違いがありますが、今の日本は出産数の減少も影響し、女性のライフサイクル全般の支援者というふうに、社会の動向とともに助産師の役割も変化しつつあるのです」
■伊久美「前回お聞きしましたが、助産師さんになるには大変な過程があるのですよね」
■島田「日本では助産師として活動するには、まず看護師免許が必要です。さらに1~2年勉強をして国家試験を受け、助産師免許を取得する必要があります」
■伊久美「看護師さんになるだけでも大変なのに、さらに助産師の免許も。二つの免許が必要だということですよね、すごいです! そして改めて、助産師さんと産婦人科医師との違いについても教えていただけますか」
■島田「産婦人科医師は診断、そして異常事態になった場合に必要な処置をします。助産師はあくまでも正常な経過をたどっている妊産婦さんの支援にあたり、経過が順調であるかどうかということに関して、責任をもって判断し支援をします」
■東島アナ「こども家庭庁ができて1年がたちましたが、助産師さんを取り巻く環境の変化はありますか」
■島田「助産師を取り巻く環境は、さほど大きな変化がないように思います。ただ、出産や子育て支援の推進に関しては、喫緊の課題であるという共通認識が国や社会にもかなり浸透してきているように感じています。こども家庭庁の発足を機に、妊婦さんや子育てをしているかたがたへの支援政策がどんどん出てきているので、助産師はタイムリーにその情報をキャッチして理解し、活用しながらより効果的な支援をしていくことが必要です。“どのように支援策を活用すると、妊産婦さんたちのためになるのか”ということを考えながら、自分から積極的に情報を取って理解する力が、以前にも増して助産師に求められてくると思います」
■東島アナ「おっしゃるように、政策について動きがあることは、私たちも日々感じています。ただ、実際にいろいろな人に聞いてみると、選択肢がある時代なので、結婚、妊娠、出産について “未知の世界で怖い” という声も多いですよね。
■島田「そうですね。自分の進路を選択でき、いろいろな情報を取ることもできます。ただ、情報を得たことで、かえって出産や育児に関してイメージが悪くなることもあります。“大変だから避けたい”、“キャリアを優先したほうが、自分の生涯の設計に合っている”と考えるかたも増えているように思います」
■伊久美「経済的なことを心配している若いカップルは多いですよね。“ 2人だけでも生活が大変なのに、子どもは無理!” という声はよく耳にします」
■島田「そうですね。こども家庭庁ができてから、経済的な支援はかなり厚くなってきているようにも思いますが、一方で、子育てを選択したカップルに対して本人たちの自己責任になるという考え方も出てきています。ですがそうではなく、もう少し子育てを選択したカップルを支えるような社会的な風潮が必要だと感じています」
■伊久美「そのあたりは、今後課題となる重要なポイントですね」
■東島アナ「出産されるかた、育児就業されるかたにとって、助産師さんが強い味方だということがわかりました」
●次回も、上智大学総合人間科学部看護学科教授の島田真理恵さんをゲストにお迎えします。

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀