義務から趣味へ。築50年の団地で楽しむ「家しごと」

築50年以上の賃貸団地に愛する古道具がマッチする、万波さんのお宅。「すき間風がすごかったりと難はありますが、私はこの昭和な空間が大好き。今ある物を大事にして一緒に年を重ねていきたいです」
手をかけて暮らしを整えるのが好きな万波さんにとって、家事は”家しごと”と呼ぶ方がしっくりくるそう。今は義務や役目ではなく、純粋な趣味として家しごとを楽しんでいます。
夫はあと3年で定年退職。「退職後も適度な距離感のある、風通しのいい夫婦でいたい。だから今も休日はそれぞれ好きなことをして、退職後の予行演習をしています(笑)」
プロフィール

万波和枝さん
(岡山県在住・54歳)
- 夫(56歳)、長女(25歳)※長男(27歳)は独立
- 専業主婦
- 賃貸の団地
持ち物のくふう
木や革製品は手入れをしながら、色や風合いの変化を楽しむ

「何事も効率重視の時代だけど、私は手間をかけることが好き」と万波さん。木や革の製品はオイルでお手入れ。手入れをしながら使い込むほど、いい色や味わいに変化。
家具は増やさずに今ある物を一生使う

死ははるか遠いものではないと思う年代になり、「一生もの」という言葉がリアルに響くように。年季の入った小引き出しも、古道具屋さんで見つけたちゃぶ台も、家具は全て一生ものです。

こまごました物は小引き出しに
おうち時間のくふう
子育てから解放され、家しごとが義務ではなく純粋な楽しみに

家事や子育てに必死で向き合う時期を卒業。50代になって自分の時間を持てるようになったら、家しごとを趣味として楽しむ”素の自分”が戻ってきました。
ココがPOINT 夫婦いつも一緒は息苦しいから、夕飯だけ一緒に食べる

夫はテーブルではなく、ちゃぶ台での食事が好き。
心と体が元気かどうかは食べ方を見ればわかるから、夫婦で一緒に食事する時間は、いわば「安否確認」。「私はこれくらいの距離感が心地よくて。夫もたぶんそうじゃないかな」
部屋や食を整える作業も、お役目から趣味へと変化

水色の粉は電子レンジで加熱して砕いたウタマロ石けん。昭和のこしょう入れの中身は重曹。

季節ごとに果実のシロップを仕込む作業も楽しい家しごとの一つ。
「家しごと」で重ねる、自分らしい時間
家事を「家しごと」と呼び、義務から趣味へと昇華させる万波さんの暮らし方。
効率が求められる現代だからこそ、古い家具を手入れし、手間をかけることが心を満たす大切な時間になるのですね。夫婦の心地よい距離感も含め、年を重ねることが楽しみになるような、豊かで穏やかなお話でした。
撮影/天野良子・有馬秀星・市原慶子・大森忠明・片岡祥・川上明子・キムアルム・桑名晴香・清永洋・髙杉純・林ひろし 構成・文/鹿島由紀子
※掲載した名前、年齢、職業、住居形態、家計などは、22年1月号~ 25年9月号の『サンキュ!』誌面に掲載された当時の情報をもとに転載、再編集しています。内容は取材当時の情報であり、現在とは変わっていることがあります。
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