「上手な作品作り」が工作の目的ではありません

Amy Newton-McConnel/gettyimages
ちぎる、折る、丸める、切るなど、いろいろな動きをしたり、同じ「切る」でも、真っすぐ切るときと丸く切るときでは動きが変わったり。こうした手指の活動を通して、脳に刺激が与えられていきます。
そのため、「まだ工作が上手にできないし、取り組ませるのも大変…」と思うかたもいるかもしれませんが、出来映えが重要なのではなく、工作に取り組むことそのものが大切なのです。
なぜ工作遊びで脳が育つの?

手指の巧緻性がぐんと伸びる2・3歳は、手をたくさん動かすことで脳に刺激が与えられ、さまざまな力が育ちます。工作遊びが引き出す力をのぞいてみましょう。
- 力【1】想像力・言語力が育つ
2・3歳は、完成した形をイメージしてから作品を作るのではなく、「あっ、これ、窓に見える!」「窓があるなら、おうちを作ろうかな」と、手を動かしながらイメージを膨らませる年齢です。「これは何に見えるだろう?」と考える経験を通して、想像力や言語力が発達していきます。
- 力【2】問題解決力が育つ
例えば、空き箱で作った家に煙突をつけたいのに、手頃な大きさの筒がないという問題に突き当たったとき、紙を筒状に巻いて代用するなど、「たりないもの・ないものをどのように補うか」を工夫するのが工作です。工夫の仕方には「正解」も「ゴール」もないからこそ、柔軟で発想力豊かな問題解決力が育ちます。
- 力【3】手順を考える力が育つ
工作は料理と同じで、手順が大事。「テープを貼った上からだと、のりがくっつかない」など、手順を考えないと思い通りの仕上がりにならない場面がたくさんあります。自分で考えることはまだ難しいですが、おうちのかたのサポートや、失敗した経験を通じて、だんだん手順を考えられるようになっていきます。
工作好きな子が育つ【準備編】
◆準備が面倒…あれ取って~にならない環境づくりのヒント
家での工作遊びは面倒…と思うのは、「あれもこれも出して、散らかる」「結局、大人が道具を準備しなくちゃいけない」からではないでしょうか。お子さんが自分で取り出せて、おうちのかたもラクになるヒントを紹介します。
- 必要な道具はひとつの工作箱にまとめましょう

工作好きな子が育つ条件は、「作りたいと思ったときに、パッと道具が出て、さっと作れる」こと。でも、おうちのかたからしたら、いきなり「クレヨン取って~」と言われても、すぐには出せないときもありますよね。
そこでおすすめなのが、後述の「工作箱」。お子さんの手の届く場所に置いておけば、「作りたい」気持ちがしぼんでしまわないうちに、工作を始められます。
- 空き箱もお子さんの手が届く場所に

Studio Light and Shade/gettyimages
工作におすすめなのはティッシュ箱。タテ・ヨコの幅が一定で、紙も厚すぎないので、2・3歳でも扱いやすい素材です。さらに理想的なのは、大きなごみ箱を置いた「工作中は散らかしてもかまわないコーナー」を作ること。よりのびのび工作に取り組めます。
八木先生おすすめの工作箱の中身
●工作箱

道具をいちいち探さずに済む。
「これさえあれば工作が始められる」道具をひとつにまとめておきます。お菓子の入っていた缶や100円均一ショップなどで売っているケースでかまいません。
●使い捨ての布切れ

手が汚れたときすぐ拭ける。
小さく切った布を、ぬらして手元に。ウェットティッシュでもいいですが、使う度に取り出す手間が省けます。
●のりや接着剤の台
空き瓶の蓋に厚紙を貼り、その上にのりや接着剤を小出しにします。高い位置にあるから、何かの拍子で工作物とのりがくっつく心配がありません。
●マスキングテープ

子どもでもちぎりやすい。
テープカッターを使わなくても、子どもの手でちぎれます。壁や家具に貼っても、あとが残らずに剥がせるから安心。
●クレヨンや色鉛筆

4色に絞れば机がごちゃつかない。
「赤・青・黄・黒」の4色があれば、たいてい間に合います。他の色は必要に応じて出しましょう。
◆はさみ◆
※はさみの管理方法についてのアドバイスを受け止められるようになるのは、お子さんがはさみの扱いに慣れたあとです。それまでは工作箱には入れず、おうちのかたが管理しましょう。

※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉