<教えてくれた人>
りっつんさん(埼玉県 63歳)
36歳で夫と死別。年子の長男、二男はそれぞれ家庭をもち、孫も三人に。50歳から始めた一人暮らしをつづった「りっつんブログ」が人気を集め『未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし』(扶桑社)で書籍化。仕事は聴覚障害者向けの字幕制作。
10年かけて、家計と物の持ち方の見直しを。今やっと「自分の暮らしが好き」と思えています
「50代で”あれ?40代より面白いぞ?”と思ったのですが、60代になったらさらに楽しい暮らしが待っていました」と笑うりっつんさん。でも、そう思えるのは、50歳できちんと子離れし、これから始まる1人の暮らしに、しっかり舵を切ったからと振り返ります。
「生活は夫の遺族年金だけではたりず、50代で仕事も減ってきたので不安に。でも、家計を小さくしたら、月11万円の年金でも暮らせるとわかり、そこからお金の心配はなくなりました。どうしたら自分を幸せにできるかを考え、家の中も整理。使わない食器は譲り、子どもの写真もまとめ直してアルバムは処分しました。空間も時間もお金も、私と猫に心地よく回る暮らしになり、すごく満足。次の70代が楽しみです!」。
50代からやったこと1 家計を整える

子どもが独立後、家計を少しずつ小さくしました。年金の11万円で暮らす力がつき、何の不安もありません。
- 出費を「生活費」と「ゆとり費」に分けて管理すると気持ちがラクに
お金は全部、生活に最低限必要な「生活費」と、潤いに使う「ゆとり費」に分類。財布、クレジットカード、口座もその2つに分けてます。スーパーに行くときは「生活費」の財布、友達とランチに行くときは「ゆとり費」の財布を持っていけばいいので、管理もラク。
- 年金などでまかなう1カ月の生活費
生活費用のクレジットカードをつくり、年金が入る口座から引き落としています。固定費の支払いもここから。
<収入>
遺族年金(手取り) 11万円
※65歳から自分の年金を受給。総額はほぼ同じ
<支出>
住居費(固定資産税を月割り) 5000円
水道・光熱費 1万4000円
保険料(火災保険のみ。月割り) 2000円
通信費(格安スマホ) 3000円
車費 0円(持っていない)
食費 2万円
日用品費 4000円
医療費(歯科検診代を月割り) 700円
ペット費 8000円
雑費(NHK受信料など) 2500円
小遣い 1万円
マッサージ・美容院代 2万円
化粧品代 5000円
衣服代 5000円
残し貯め 1万800円
余ったお金約1万円は臨時出費用の予算として、口座に残し貯め
- 稼いでまかなう1カ月のゆとり費
孫に会うための旅費など、プラスアルファのゆとり代は、働いたお金で。仕事の報酬が入る口座から使います。
交際費 5000円
趣味・習い事費 1万円
寄付(国境なき医師団) 4000円
旅行積み立て 1万7000円
合計 3万6000円
- 「光熱費」の見直しはダメダメだった私でもすぐに効果を実感
50歳でやりくり初心者だった私でも、光熱費は見直した分だけ下がり、月2万円から6000円も減。自信がつきました。ただ、この金額に落ち着くまでに3年。習慣を変えるには、時間が必要です。
- 固定電話はやめて、テレビも小型の物にしました

テレビは大型をやめ、3万円ほどで買えるポータブルのタイプに。通信費はスマホを介してPCのネットもつなげるので、Wi-Fiも固定電話も解約。固定費が下がり、詐欺の電話もこなくなりました。邪魔なコード類もなくなって、うれしいことだらけです。

- 子どもが巣立ったら、保険は解約。もうだれも困らないから
夫はがんで5年闘病しましたが、高額療養費制度があり、医療費は高くありませんでした。病気には国の保険があるので、医療保険は解約し生命保険料もゼロに。それより確実にかかる家の修繕費を取っておきます。
50代からやったこと2 働き方を考える
長く楽しく働くために、あえてセーブも。働き方、稼ぎ方に自分なりの方針をつくりました。
- 1日の仕事量を決めて「平らに長く」働くことを意識しています

量をこなせばお金になりますが、仕事は毎日3時間まで。無理すると、必ず翌日にしわ寄せがくるからです。長く稼ぐために「まだできる」と思っても、決めた量を終えたらスパッとやめます。
- 楽しく稼ぐ秘訣は、収入を「お楽しみ」に回すこと

遊ぶお金は働いて稼ぐ。こう決めてから、気持ちがラクになりました。気負わずに稼げるし、使っても貯蓄は減らないから安心感が。体が動かなくなったら自ずと遊びも引退なので(笑)、そこまでは頑張ります。
- 投資も今は貴重な収入源に。若いうちから慣れておくことをオススメします
40代から株式投資をしています。さんざん痛い目にも遭いましたが、今は配当金を年30万円ほど得られる資産に。ただ、投資は簡単ではないし、年を取って失敗すると悲惨です。やるなら、少しずつでも早めに練習を。
- 「他人よりちょっといい生活」なんてめざさないほうが健康的

一人暮らしになり、家族の物はかなり処分。自分らしい色になった家で、お金も時間も納得して使える今の生活に充分満足しています。だれかと比べて疲れるなんて、もったいない。
- サンキュ!読者の声
「できるだけ長く働きたいね」と夫と話しています。
年金が少ないのが心配ですが、働けばなんとかなるねと夫と話しています。今後は体力を考え、週4日、月10万円くらいを目標に今の仕事を続けたい。健康のためにも、年齢に限界なく働くつもりです。
おーちゃんさん(岐阜県 53歳)
看護師、夫55歳
50代からやったこと3 健康に気をつける
毎日の食事と運動、生活リズム。体と上手につきあうために、できることを続けています。
- 「毎日1時間歩く」ことで心身ともにリフレッシュ

足腰のために、午後は近所をウォーキング。カメラ片手に、鳥や季節の移ろいを撮ったり、大好きな山下達郎の曲を聴いたりしながら、なるべく8000歩は歩きます。
- 「歯」「髪」「つめ」は長寿のパスポート。そのための出費は削りません

歯医者は4カ月に一度、髪は3週間に一度カラーリングし、つめを磨くアイテムもケチりません。体の細部をケアしていると、体調の変化にも気づきやすいので、必要経費として予算化しています。
- フルコースは50代で卒業。「食べすぎない」毎日を心がけます

50代で感じたのは胃腸の衰え。フレンチを食べたのは52歳が最後です。今は、食事は毎日同じ時間に腹七分目で、同じ物は2食続けて食べません。50代で見つけた、自分の体と口に合う食生活を守っています。
50代からやったこと4 自立した人間関係を築く
息子、お嫁さん、孫、近所の人。寄りかかりすぎず、離れすぎない、ほどよい距離を意識しています。
- 「子離れ」は試練。でも、その先に”次”があります

子はいつか巣立つもの。わかっていても実際はつらく、子離れは50代最大の試練でした。でも、子を経済的に自立させないと困るのは親。今、息子たち家族と笑顔で会えるのは、お互い自立した関係だからだと思います。ちゃんと手を離せて、よかった。
- 頼りになるのは近所の友人。万が一についても話してあります

急に倒れたとき、駆けつけてくれるのは近所の人。信頼する友人には鍵も預け、入院の用意や猫の世話をお願いしてあります。いい関係のためには、踏み込みすぎず閉ざしすぎない。そんな距離が大事みたい。
- サンキュ!読者の声
家計を少しずつ小さくして、今は月15万円貯めています。
子どもが独立し、夫と家計を見直し中です。車は軽自動車に、住宅ローンも低い金利に借り換え、スマホも格安スマホにする予定。浮いたお金は老後資金として、使っていなかった口座に貯めています。
マミママさん(東京都 53歳)
会社員、夫55歳