合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
家事や育児は一人で背負わず、周りに味方をつくって“チーム育児”を!
■東島アナ「『サンキュ!』の山本沙織編集長にお越しいただきました。以前、たくさんの読者のかたを取材するというお話を伺いましたが、結婚後も仕事をする女性の働き方は、時代とともにどのように変化しているのでしょうか」
■山本「『サンキュ!』は、今年で創刊27周年を迎えました。伊久美さんとともに、この雑誌に20年以上携わってきた中で、大きな変化だと感じたのは“共働き世帯の比率”です。25年くらい前は、共働きのご家庭は4割くらいだったのですが、今は8割なのです!」
■東島アナ「それは大変化ですね! 子育てや家事をしながら働く上で、具体的にどんな声が編集部に届いていますか」
■山本「よく耳にするのは“マルチタスク(※1)”ということですね。まだまだ女性の家事&育児負担が多いということが、あらゆる調査で報告されていますし、実際に取材していても、そのように感じます。家事と育児に追われる上に、さらに仕事も加わることで、本当にやるべきことが多いというのが、今、妻にとっては大きな課題だと思います。“女性の社会進出”は本当に進んでいるのですが、一方で“男性の“家庭進出”は頑張ってはいるものの、歩みはスローだなぁというのが印象です」
※1 複数の作業を同時並行、または短時間で同時進行する手法
■東島アナ「さらには経済的な負担という意味でも、子育てに関する課題が出てくると思いますが、収入が増えても、お子さんと向き合うために仕事を辞めたり、職種を変えるケースがあるとお聞きしたのですが、いかがでしょうか?」
■山本「今、発売している『サンキュ!』5月号で“仕事を辞める、もしくは仕事量を減らしたことがありますか”という質問をしたところ、6割の人が経験済みということでした。“子どもともっと向き合いたいから”というのが、最も多い理由でした。やはりマルチタスク(※1)の中で時間がなくなり、子どものちょっとした変化に気づくことができなくなり、問題が生じる。それは必ずしも、自分が働いていることが原因ではないとしても、働くことに罪悪感をもってしまう母親が多いと言われています」
■伊久美「6割のかたが、自分のキャリアプランを変更するというのは、大きなことですね。沙織さん、どう思いますか?」
■山本「今、“チーム育児”という言葉が叫ばれています。諦めずに時間をかけて、周りに味方をたくさんつくっていくことで、徐々に自分が抱いている罪悪感が薄らいでいく。家族だけではなく保育園など、自分以外のだれかが子どもを見てくれるという安心感が得られと、徐々に心も落ち着くようになります。短期で解決しようとせず、“関係性の構築には時間がかかる”と考え、仕事を続けていくことが大切だと思います」
■伊久美「そうですね。社会全体に理解してもらうためにも、チーム育児の浸透を目指したいですよね」
■山本「仕事を変更する理由として、“”職場の居心地が悪い”という声も多かったです。妊娠、そして出産となり、周りから“辞めたら?”とまでは言われなくても、そういう雰囲気をかもし出される。また、子どもが熱を出したので急いで帰ったら、同僚に嫌味を言われたなど。。。そういうことが重なると、自分の罪悪感は増大していきます。チームは家族だけではなく職場の人も含むと思うので、社会全体で還元していくことが必要だと思います。さらに、子育てだけでなく、病気の人や介護が必要なかたもたくさんいらっしゃるので、支障のある人たちをチームで支えていくことができるような社会を目指していきたいですね」
今、働く主婦たちが抱く夢や希望には変化が!

■東島アナ「たくさんの読者のかたがたと接していらっしゃる中で、今、働く女性が抱く夢や目標、希望は、どんなことなのでしょう」
■山本「先日の調査で“仕事に対する夢や希望はありますか”という質問をしたのですが、6割以上の方が“はい”と答えています。仕事だけではなく夢や目標というと、家族の健康、お金に困らないこと、ワークライフバランスという回答が圧倒的です。この3つは昔から変わらないのですが、最近では“仕事においてもやりがいをもちたい”、“昇進をしたい”、“もっと頑張っていきたい”という内容が加わってきていると感じます」
■伊久美「家族の幸せは、今ももちろん大切だと思いますが、仕事など、自身の成長にも目が向いてきていますよね」
■山本「そうですね。働かなくてはいけないという意識は、親世代に比べて年金が豊富ではないという理由があるのかもしれません。ただ、今は“仕事に自分を合わせる”のではなく、“自分に仕事を合わせる”というふうに変わってきています。働いていく中で“自分のライフスタイルに合わせていこう”、“自分軸をもとう”というような声がかなり増えてきて、自分自身のキャリアアップややりがいを求める方向へと変わってきていると思います」
■伊久美「“自分に仕事を合わせる”というのは、ヒントですよね。今、悩まれているかたに、どういうアドバイスをされますか」
■山本「自分自身もなかなかできてはいない部分も多いのですが(笑)。インターネットの発達で、ほんの短時間でも、いつもと違うことに挑戦しやすくなってきていると思います。踏み出したことでパっと希望が見えたり、何か違う角度から自分が必要とされたり。母親以外の役割がないと思っていたかたがたにとっても、チャレンジしやすい社会になってきたので、気軽にトライしてみたらどうかなぁと思います」
■伊久美「“自分に仕事を合わせる”というのは、ストレスをなくす、視野を広めるという意味ですね。なるほど。東島さんは、どう感じましたか」
■東島アナ「そうですね、ちょっと踏み出してみたことできっかけが生まれる、そういう未来であってほしいし、未来と言わず、今、早速、動き出してみるとよいですね」
●次回も『サンキュ!』の編集長・山本沙織さんをゲストにお迎えします。

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康・癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀