ねこ7匹が家族になったのは、自然な成り行きでした。
長楽寺(ちょうらくじ)
栃木県那須高原にある創建400年を迎える真言宗智山派のお寺で、総本山は京都府東山七条にある智積院。那須三十三所観音霊場の第十二番礼所でもある。9:00~16:00は予約や連絡なしでいつでもお参りできる。栃木県那須郡那須町寺子丙1404
ねこ全部のせ。7匹のねこに囲まれる住職さんの食事風景はそう呼ばれSNSで大人気に。ですが、もともとこんなにねこを飼うつもりはなかったそうです。「最初はミー子がおかみさんの肩にしがみついてやってきて。東日本大震災で避妊手術が遅れていたら子ねこが産まれちゃってね。半分譲って、残り3匹はうちで飼うことにしました。その後、獣医さんに頼まれて2匹来て。最後は寺に迷い込んだ子ねこを保護して、気づけば7匹です」(住職さん)。
SNSもお墓の宣伝のために始めたもの。「すごいニュースなどはなく、じゃあねこでもと投稿したら話題になって。”孫が今度行きたいって”と、檀家さんが喜んでくださったのが、何よりうれしかったです」(おかみさん)。




長楽寺ファミリー

無理も期待もしない。人もねこも、ありのままで。
長楽寺のSNSは、飾り気一切なし。食卓も、ねこも人間も、ありのままの姿です。「最初は”おはようにゃん”とか投稿してみたのですが、無理があるなと(笑)。普段の姿を普通の言葉で発信し始めたら、フォローしてくださる方が増えました」(おかみさん)。
とはいえ、SNSでは自分をよく見せようとしたり、子育てではつい親の願いを押しつけてしまったり。「ありのまま」は、意外とできそうでできないものです。「理想が高すぎるんじゃないかなぁ。ほら、ねこにこれやってって頼んでもムリでしょ?(笑)。自分だって人から何かを押しつけられたら嫌じゃないですか。周りにも自分にも期待しすぎない。そのほうがラクに生きられますよ」(住職さん)。





頑張りすぎず、ほどほどに。そう、この寺にいるねこたちのように。
SNSで大人気の長楽寺ですが、一時YouTubeの再生数が減り、おかみさんとおねえちゃんが悩んだことも。「そのとき住職に、”気にしなくていいんじゃない?だってユーチューバーになりたかったわけじゃないよね”と言われてハッと。それから、反響を気にするのはやめました」(おかみさん)。
SNSに限らず、なにごともほどほどでいいのでは、と住職さんは言います。「頑張りすぎて折れちゃったら元も子もない。やるべきことはやる。でも、疲れたら遠慮せずに休む。それでいいんじゃないかなぁ」。そう言って、「さ、ちょっと休憩しましょうか」と私たち取材班にやさしく声をかける住職さん。無理せず、ときどきひと休み。そんな姿勢が大事なのかもしれませんね。





