夫の決断を拒否する「嫁ブロック」は、本当に妻だけの問題なのか?

夫の決断を拒否する「嫁ブロック」は、本当に妻だけの問題なのか?

仕事やキャリアの今後に悩んだ夫が、退職・転職を決意したことに対して、妻が強固に反対をする――通称「嫁ブロック」。妻側の頑なな態度を連想させますが、本当に妻だけの問題なのでしょうか?夫婦関係のスペシャリストである「恋人・夫婦仲相談所」の所長・三松真由美さんに解説してもらいます。

家族の今後を左右する夫の決断、妻はどう受け止める?

「大事な話があるんだ」

深刻なまなざしで夫がこの言葉を発するとき、それは仕事・家族にかかわる重大事を相談するときです。妻側はドキリとしてしまいます。そして内容はおそらく以下のどれかでしょう。

「会社を辞めたい」
「仕事を変えたい」
「新天地へ移住したい」

妻の皆さんはこう告げられたとき、どんな想いが湧き起こりますか?

「前から人間関係に悩んでいたからしょうがないか……」
「仕事が合ってないって言っていたから、合ってるところに行くのがいいわね」

と、夫の相談を前向きに捉える人もいるでしょう。しかし、多くの人は以下のような反応をすると思います。

「キャリアアップならいいけど、年収下がるならやめてよ」
「職場が遠くなるから帰宅時間遅くなるじゃない。家事分担、私の負担大きくなるからいやだな」
「誰もが知っている有名企業の肩書がなくなるのは、落ちぶれたみたいでかっこ悪い」
「え、ベンチャーに転職?将来どうなるかわからない。ギャンブルみたいなものじゃない」
「単身赴任はぜったいダメ。子どもが寂しがる」
「起業はダメ。失敗したら路頭に迷う」

etc……

夫の転職・起業などに対して妻が「絶対ダメ!!」と反対カードを上げるこれらの行動が、いわゆる「嫁ブロック」と呼ばれるもの。夫からすれば、「嫁ブロック」は「自分と子どものことばかり考えている」とネガティブに捉えられてしまうでしょう。

「嫁ブロック」は妻のわがままなのか?

仕事にやりがいを感じない、会社が自分に合ってないなどと夫が悩んでいたら、それを払拭できる職場に行ってほしいと考えるのが”花丸妻”な対応であることはわかっている……しかし、家計の心配、将来の心配、自分の家事負担増加、子育ての不安、さまざまなマイナスの想いが錯綜してしまうのも事実。

2016年にエン・ジャパンが行った「嫁ブロック実態調査」によれば、35歳以上の男性の4人にひとりが「嫁ブロックをされた経験がある」と回答しています。夫の年代によってブロック理由は微妙に違います。

30代は年収低下だけでなく「有給の取得率が低い」「休日が少ない」が理由として目立ちます。子どもが小さいので、妻としては子育てにもっと関わってほしいと思うのはもっともです。

では「嫁ブロック」は、夫の進路を妻が牛耳る負の言動なのでしょうか?言葉だけ見ると「主導権を持つ妻の女王様的な言動」というきつい印象を受けます。

しかし、妻はわがままでブロックしているだけとは限りません。嫁ブロックで内定辞退したことを「よかった」と感じている夫も6割います。

「冷静に考えることができた」、「ブロックされてまで転職すると夫婦喧嘩が増える」、「家族の時間がたしかに減ると気づいた」など、クールダウンして考え直したという意見が挙がっています。夫側は「嫁ブロック」がかかったら「まず立ち止まってシュミレーションをしろ」という意味だと捉えてください。

嫁ブロック→クールダウン→シミュレーション→最終の自己決定

夫はもちろん、妻たちもこの流れを胸に刻んでください。

2重3重の「嫁ブロック」は「モンスターワイフ」化の危険

さてここからが重要です。自己決定で「やっぱり転職したい」という熱意を妻に伝えてもなお、2重3重のブロックがかかった場合。こうなると“花丸妻”ではなく「モンスターワイフ」の片鱗が見え始めます。

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  • 結婚後、夫の仕事について漠然としか知らなかった。夫の悩みに向き合っていなかった。夫が人間関係で嫌な思いをしていることから目をそらしていた。夫の仕事は家族を養うためと考えていた。夫の人生は私が決めるという独占思考になっていた……妻の反省点はいくらでも見えてきます。

    夫がよくよく考えて決定した事項であれば、向き合う勇気が必要です。やみくもにブロックすると「俺はあのとき、羽ばたけなかったからちっこい奴になってしまった」的不満を生涯に渡り、言われ続けるかもしれません。

    「嫁ブロック」はどうしたら解決できる?

    「嫁ブロック」は夫、妻どちらか一方だけの問題ではありません。夫婦がお互いに向き合って、解決策を探っていくことが大切です。ここでは、「嫁ブロック」を防ぐためのポイントを夫側、妻側、双方の視点から考えてみましょう。

    「嫁ブロック」されたときに夫がするべきこと

    ポイント1:必ず結果を出すという強い意志を伝える

    ポイント2:何があっても家族を守るという信頼感を持たせる

    ポイント3:転職・起業後20年間の計画(キャリアプラン、家事、育児、夫婦の時間含め)と資金予想表を家族に提示する

    ■「嫁ブロック」したあとに妻がするべきこと

    ポイント1:最初の嫁ブロックのあと、それでも夫の意志が固いとわかったら、いっしょに転職後の目標設定をする

    ポイント2:あきらめ口調で「あなたの勝手にして」とは決して言わず、すり合わせの限界点も考える

    ポイント3:夫婦のあり方の価値観を変え、妻ならではの提案を3つ程度ひねり出す(もしそれが、逆に「夫ブロック」されれば討論の材料になります)

    夫が真剣に変わりたいと思っているなら、妻も柔軟な対応をすることで夫婦関係もよくなります。

    そして夫の意志がぶれていたり、迷いが少しでも見えるなら転職しないほうがましです。その弱さを見抜いているから、妻はブロックするのです。逆に家族を守る、幸せにするという揺るぎない態度が示されるならば、妻は夫をリスペクトするでしょう。

    「嫁ブロック」に合わない夫ももちろんいます。どんな夫婦かと言うと、お互いの弱点をさらけ出し、助け合っている。日頃から会話が多く、信頼しあっている。そして、お互いに相手を尊敬している夫婦です。

    「あなたなら大丈夫よ」と信頼しきった言葉を返す妻のために、夫はますます成長することでしょう。まさに「ブロック嫁」から「あげまん妻」への切り替え地点なのです。

    ◆監修・執筆/三松 真由美
    会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

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  • 参考資料

  • ・「ブロック実態調査 44%の⽅が、嫁ブロックを理由に内定を辞退!」エン・ジャパン
  • ・「奥様21名に聞いてわかった、「嫁ブロック」回避のポイント」転職会議 Report
  • ■監修/三松真由美…会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。新サービス「オトナのお悩み保健室」展開中。監修を手掛けるセックスレステーマのショートドラマは5ヶ月で1億再生突破。





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    編集/サンキュ!編集部

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