合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」
選択肢は多様。まずは自分の働き方に対する意識を明確に!
■東島アナ「今回のテーマは、女性が働きやすい環境について考えたいと思います。職場で産休や育休の取得者が出ると、一緒に働いてきた社員からは、労働負担が増えたという不満が生じることも多い、と聞きます」
■大室「労働量が増えれば当然な現象だと思いますが、一方、社会にとって、産休&育休を取得することは大切なことです。不満が生まれないようにするためには、マネージャーが一人一人に対して、仕事の適性配分や優先順位に関するアドバスを、しっかり指示することだと思うのです」
■伊久美「人員補充がされないから大変、と考えがちでしたが、マネージャーが、仕事の適正配分、優先順位を考えて伝えれば、一人一人の負担は軽減されそうですね」
■東島アナ「産休&育休から復職されたかたに対する制度、例えば、時短労働などについてはどんな点を考慮することが大切だと思われますか」
■大室「最近はあまり聞かなくなりましたが、復職すると、以前に比べて責任のある仕事を任せてもらえないという話を、よく耳にしました。出産した社員全員が、産休明けにはバリバリ働いてキャリアアップする、または、これまでのママさん社員と同じ働き方をするということではなく、さまざまな働き方や選択肢があり、本人の意志で選択できる環境が必要だと思います」
■伊久美「一人一人がキャリアに対する計画があるので、それを国や会社は理解してサポートする必要があるということですね」
■大室「日本人は、幼い時から自分の意志で方向性を決めていくのではなく、決められた制度に適応していくことに慣れてしまっているところがあります。今後、成熟した社会を目指すには、選択肢を増やすと同時に、自分がどんなキャリアを目指したいのかをはっきり言えることも大事です」
■東島アナ「会社の中では、ロールモデルとなる人を探してしまい、そういう先輩がいると安心する、という傾向があるかもしれません」
■伊久美「ロールモデルではなく、新しい選択の先陣を切るという勇気を持つことが必要なんでしょうね~」
■大室「成熟した社会への追い風となるのは、今、リモートワークが浸透してきたことです。今までなら、子どものお迎えの時間に合わせて退社しなくてはならなかったけれど、今はその時間だけ抜けて、後で仕事の帳尻を合わせるということも可能になってきました」
■東島アナ「社会で制度が確立されることも大切ですが、まずは、自分の働き方に対する意識を明確にすることが大切だと思いました」

北欧に学ぶ、女性が働きやすい社会。そして日本の課題とは…
■東島アナ「テーマは、北欧に学ぶ、女性が働きやすい社会についてです。世界的に見ても、北欧は女性が働きやすい環境が整っていると言われています。イギリスの経済誌『エコノミスト』は、主要29カ国で女性の働きやすさを指標化した調査をし、ランキングを発表しています。1位はスウェーデン、続いてアイスランド、フィンランド、ノルウェー、と北欧の国々がトップを占めています。日本は残念ながら28位。日本と北欧の違いは、どんなところにあると思われますか」
■大室「何から何まで違いますね。まずは、国会議員の中で女性が占める比率ですが、日本は12%ほどに対し、北欧は40%以上です。そうなると、女性が感じている問題が制度として確立されるので、働きやすくなります。休暇にしても、日本では土日休暇が基本にあるので、それに合わせて休暇の計画を立てます。一方、北欧では、一人一人が希望する日に休めるように、制度を変えています。個人の権利が確立されている社会なのです」
■伊久美「権利を勝ち獲ってきたんですね。制度をつくる上で、コストがかかると思うのですが、北欧ではその辺りのやりくりもうまくできているのでしょうか」
■大室「そうですね。非常に労働生産性が高いと思います。小さな国々なので、生産性に関して、国民が常に危機感をもっているとも言えるかもしれません」
■東島アナ「危機感と生産性の関係というのは、ありそうですね。そして、イギリスの経済誌『エコノミスト』は、日本の28位という結果を、未だに女性が仕事か家庭のどちらかを選ばなくてはならないという情況があるため、と指摘しています。このことについてはいかがでしょうか」
■大室「現状、女性の月経に関する問題やメンタル不調の悩みについて話を聞いてみると、“今の働き方のままでよいのだろうか”という内容がほとんどです。働くことと、結婚、妊娠、出産というテーマを対立概念として捉えている人が多いと思います。仕事と出産、どちらかを選択してどちらかを諦めるのではなく、調整するということだと思います。例えば、リモートワークと出勤、どちらがいいかということではなくて、自分が携わっている業務であれば、週に2回くらい出勤して、週3回はリモートというのが自分にとって心地よい、などと人によってバランスを変えられることがよいですよね」
■伊久美「現実的に、育児をしながら一生懸命働いている人もたくさんいるのに、制度が追いついていないということなのでしょうか」
■大室「日本の場合は週5回フルタイムで働かないと正社員として認められない。また、1回出産を経て復職すると、パートタイムでしか働けないなど、極端な考え方が根強く残っている気がしますね」
■東島アナ「日本において女性の社会進出、幸せな社会生活をつくっていくためのヒントはどこにあると思いますか」
■大室「幸せな社会生活というのは、他人から与えられるものではありません。一人一人が、自分にとって心地よい形を決められるところから始まると思います。個人にとっても企業にとっても心地よい、何が上か下かではなく、まず自分にとって心地よいことを意識するということが、非常に重要な時代になってきています。日本には男女差別があると言われていますが、例えば、ノルウェーでは徴兵制があり、女性も徴兵されます。宿舎で男女同室になるということもあります。そのくらい、男女の区別がない国なのです。日本では、どういう男女の在り方が求められているのか、どのくらいのチューニングバランスが、国、会社、個人によって快適なのか、ということを常に議論し、バランスを変えていくことが大切だと思います」

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀 Tomoki Kotobiki